次に涼子に斎藤刑事は聞いた。
(あの喫茶店にいたでしょう。ハウスさんと一緒に。)って。

涼子は憲一の参観日の後かって思った。
(ええ、いましたよ。)って答えた。

斎藤は(駐車場で抱き合っていましたね。)と言った。
涼子は(私が転びそうになったから、ハウスさんが抱きかかえただけですよ。)って答えた。
斎藤は(先にハウスさんに聞きましたが、同じことを言いました。)と言った。
涼子はホッとした。

ホッとする

斎藤は(突然、沢田さんが消えた事に、何か思い当たることがあれば連絡ください。)と言い去って行った。

涼子は憲一に(ハウスに首を絞められた事が、喉に何かつかえていて苦しかったからだったら、初めから言わないと殺人ごっこなんて言ったら駄目よ)と叱った。

憲一は(違うよ。あいつハウスは僕を試したんだ。ハウスは僕にハウスを消せるか?って聞いたんだ。何もしなかったら、僕の首を絞めて僕が苦しくなったら魔力で、ハウスを消すだろうって考えて試したんだ。)って言った。

涼子は(まあ、そうだったの。)と言い、ハウスは憲一を疑っているって思った。

憲一は(仕方ないよ。僕が野良犬を消す瞬間を、ハウスが見ていたんだ。)って言った。
涼子は(それだったら、隠しようがないわね。)と返した。

憲一は(ハウスの素性を調べた方がいいよ。僕達の弱みを握ったら何かに使う気だと思うから。警察に言ってないんだろう。不思議じゃない。弱みとして握っておきたいからだよ。)と言った。

涼子もハウスがやたら、自分に立ち入ってくるって思っていた。
素性を調べた方がいいと、思い始めていた。