3か月経った。他の失踪者は出なかった。涼子は、偶然に沢田さんだけいなくなったんだわって思った。ハウスは蘇っていない。大量に人はいなくならないもの。ある夜、野々村家で寛貴、涼子、憲一、ハウス藤本は夕食を共にしていた。もう11年前のような大きな事件にならない ...
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2021年02月
ハウス様(青年医師編)21
涼子は今日も、ハウスにお弁当を運んでいた。でもいつものように明るくなかった。もしハウス藤本が、人の生気を取っているんだったら・・・怖い。お弁当を渡し、共有のベランダにハウスを呼んだ。ハウスは何事かな?って感じて付いて来た。涼子は真剣な顔で言った。(もしあ ...
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ハウス様(青年医師編)20
蒸発ってやはり、今の生活が嫌な人がするものだから。今の自分から逃げたい。別の人間になりたい。生活苦や家族構成が複雑だったり。それでも、まとまったお金は持って行く。刑事は沢田の蒸発は腑に落ちない。裕福で自由な一人暮らし。沢田の最後の目撃者は涼子だ。刑事は涼 ...
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ハウス様(青年医師編)19
沢田は着の身着のままでいなくなったらしく、蒸発したって感じになった。野々村家にも刑事は来た。涼子が玄関に出ると、見覚えのある顔がそこにはあった。11年前、涼子が会った刑事だ。涼子がお茶の準備をしている間に、リビングで寛貴と刑事は話し出していた。寛貴は(刑 ...
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ハウス様(青年医師編)18
元気になりお菓子を持って憲一は、涼子に(食べ食べ)と言った。涼子が憲一にお菓子を上げたのだったが、憲一は涼子にもお菓子を勧めた。そんな姿を見ていると、なんて可愛いって憲一の事を、涼子は思った。家庭に入るべきか?なんて考えた。日曜日は、憲一と共に夫婦は過ご ...
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ハウス様(青年医師編)17
涼子は、ふと正子と憲一がいない事に気が付いた。寛貴の話では、涼子がハウスにお弁当を届けに行った後、すぐ二人で出て行ったらしい。憲一が(恐竜の図鑑が見たい)と言ったので、正子と本屋に買いに行ったらしい。その本屋というのは、涼子がさっきまで沢田といた喫茶店の ...
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ハウス様(青年医師編)16
寛貴は涼子に家庭に入らないか聞いた。もう両親にはOKを取っているらしく、今月末で仕事を辞めていいと言った。涼子は嬉しかった。自分を楽にさせてくれる。子供の傍にいつでも居れる。子供の憲一は5歳だった。でも一方で、自分が社会福祉士をしているから、地元の人と仲良 ...
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ハウス様(青年医師編)15
涼子は家に着いた。野々村家は2棟になっていた。院長夫婦と寛貴と涼子の住まいは別だった。広い敷地に建てられた一軒家だった。今日は土曜日で診察は昼までだった。院長の信夫と、息子の寛貴がリビングでテレビを見てお茶していた。土日は昼ご飯が、家族みんなで食べれる日 ...
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ハウス様(青年医師編)14
涼子は(私は何もしていないし、今から用事があるから)と言い、立ち上がり会計をして帰ろうとした。沢田は追って来た。そして喫茶店の前の道で、沢田が涼子の腕を掴んで(一緒に交番に行きましょう。私が話してあげるから)と言った。涼子は沢田を振り切り逃げた。少し逃げ ...
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ハウス様(青年医師編)13
涼子は(沢田さん、何かご存じなんですか?)と聞いた。沢田は(実は、ハウス藤本さんから相談を受けましてね。)と話し出した。(二人で喫茶店で会ったんですよ。なんか他人の重大な秘密を聞いたみたいで、自分の胸に閉まっておくのは苦しいので、聞いて欲しいって言われて ...
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