僕とミッチは子供の頃、よく手を繋いで歩いた。


手を繋ぐ

いつからか、手は繋がなくなった。大人になったから自然にそうなった。
でも二人は、寄り添って歩いた。恋人の距離だ。
寄り添って歩いているが、話はたわいのない世間話だった。

週刊誌を本屋で立ち読みしたら、キッスは中学で経験している子が多い。
そんなムードにならなかった。

僕は純愛物の映画の券を2枚買った。
ミッチには(本屋で当たった)と言い、二人で行く事にした。

映画を見終わり、僕達は公園にいた。

ベンチ

ベンチで家から持って来たお菓子を食べていた。
ミッチは映画の内容に感動したらしく、映画の話をしていた。
僕も合わせて、映画の話をした。

ミッチが横を向いたので、僕は今だ!って思った。
後ろから抱き付いてキッスしようと思った。
でもすぐミッチは、こちらを向き(お兄ちゃんなに?)と言った。
ニコニコしていた。

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僕が咄嗟に動こうとしたのを、ミッチは察知したのだろう。
僕は(何もない)と言った。